■[Movies][USA]映画「ヘルプ」を観た
映画「ヘルプ」といえば、私の世代なら、ビートルズの映画かと思ってしまうだろうが、今回観た映画の原題は、”The Help”。「お手伝い」という意味になるのだろう。
映画”The Help”は、アメリカ合州国の、1960年代の、Jackson, Mississippiの家政婦の物語。
アフリカ系アメリカ人(African Americans)に対する人種隔離政策や人種差別、深南部(Deep South)については、大昔の高校時代に、朝日新聞社の本多勝一記者による「アメリカ合州国」で学んだ。
水飲み場も、バスも、トイレも、黒人用はColoredとして区別(差別)され、黒人は、invisible、まさに「見えない」(invisible)存在であった。
白人宅で働いているのに、その黒人家政婦たちがどんな気持ちだったのか、白人たちは聞かされることはなかった。映画「ヘルプ」は、その聞きとり調査をして、出版にこぎつけるという話で、出版自体が危険だった。出版されれば、気になって仕方がない。読めば面白いという、相互理解なんて夢のまた夢の隔絶・断絶した世界。
モノを書くということの意味も考えさせられる映画「ヘルプ」。私は大変いい映画と思ったのだが、黒人女性史の立場からは、当時の黒人女性の実態を正しく伝えていない。実態を歪曲・無視・誇張しているという批判があるようだ。
たしかに、1960年代初頭の、Jackson, Mississippiと時代と地域を限定すれば、批判も出てこようというもの。それだけ、深刻な差別とすさまじい暴力があったということなのだろう。人権侵害・人権蹂躙され、殺され、傷つけられた側からすれば、事実の歪曲・無視・誇張ということになるのであろう。
30年以上も前にサンフランシスコの映画館で見たディズニー映画”Song of the South”は、この映画の時代背景である19世紀末のアメリカ南部の黒人生活があまりにも現実とかけ離れているという理由から、全米黒人地位向上協会(NAACP)によるクレームがあり、ディズニー社の自主規制により1986年以降公開されることはなくなってしまっている。
そうしたことを承知のうえで、事実の歪曲・無視・誇張されたものですら無知な私たちは、敢えていえば、批判もあるということを承知のうえで、「ヘルプ」は、見てもらいたい映画のひとつではないかと思った。
NAACPの”Image Award for Outstanding Motion Picture”というものがあり、そのwinnerには、例えば私が観たものでも、”The Color Purple”(1986)、”Malcolm X”(1995)、”Remember the Titans”(2001)、”Ali”(2002)、”Ray”(2005)、”Precious”(2010)などがあり、2012年のwinnerには”The Help”があったので、安心した。
Source:
http://d.hatena.ne.jp/amamu/20121023